外国人を雇うために必要な就労ビザ取得方法

日本で外国人を雇う場合に、必要不可欠になるのは就労ビザ、または在留資格になります。特別な資格を持つ外国人を日本で雇う場合や、新しいオフィスを日本で設立しその責任者に本社の外国人を送るなど状況は様々あります。

今回は、外国人を日本の会社で雇う場合に必要となる就労ビザの取得方法についてご紹介します。海外にいる外国人を雇う場合と、すでに日本にいる外国人を雇う場合の申請手順も併せてご説明します。

※この記事は2020年8月5日に作成されました。最新情報は、法務省・外務省などの一次情報をご確認ください。

就労ビザとは

外国人が日本で働く際、必要になるのが就労ビザです。就労ビザとは、海外の日本大使館や領事館が、日本で働きたい外国人のパスポートや申請書類を確認し問題が無い場合発給される証明書です。日本への入国審査を通過した際、正式に与えられた在留資格や在留期限が在パスポートに貼付され、これを「上陸許可証印」と呼ばれています。

※ビザは日本への入国を確実に担保しているものではありません。ビザを保有していても、上陸審査時や入国審査官によって、またほかの必要要件を満たしていないと判断された場合、日本への入国を拒否される場合もあるので十分注意しましょう。

就労ビザの種類に関する記事はこちらをご参照ください

 

ビザと在留資格の違いについて

ビザとは在外公館で発行されてパスポートに添付され、国に入国するための査証です。在外公館(外務省)がビザに記載された範囲の活動を行うために日本への入国を「推薦」する意味をもちます。

日本に来る外国人は、このビザが張られたパスポートを日本入国の際に入国審査官に提示することで入国が許可されます。

在留資格とは、外国人が日本に在留することについて法が定めている一定の資格です。外国人はその資格があることで日本に在留するものとされ、在留することのできる期間や活動は在留資格ごとに法で決められています。

就労ビザの取得条件

就労ビザを得るためには、まず入国管理局で審査が必要になります。取得する就労ビザの種類により条件が変わってきますが、その中でも共通する重要な条件「ビザ申請人」側と「受け入れ企業」側からご紹介します。

ビザ申請人

  • ビザ申請人の学歴
    研究内容や選考過程が十分に取得されていること
  • ビザ申請人の職歴
    就労ビザの種類に合致する技術・知識のある職歴か
  • ビザ申請人の職務内容
    職務内容が出入国管理及び入管法で定められている「在留資格」のいずれかに該当していること

受け入れ企業

  • 受け入れ企業の事業の収益性
    受け入れ企業がビザ申請人に対して日本人と同等以上の報酬を支払うことができる程度に、事業の収益性が十分であること
  • 受け入れ企業の事業の安定性
    受け入れ企業の事業内容や資本金、売上高、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益、従業員数などから、事業の安定性が確実であること
  • 受け入れ企業の雇用必要性
    受け入れ企業がビザ申請人の知識や技術を活用するする必要があること

就労ビザの取得方法

就労ビザの取得方法についてです。「すでに日本国内にいる外国人を採用する場合」と「海外にいる外国人を採用する場合」でご紹介します。

すでに日本国内にいる外国人を採用する場合

現在日本にいる外国人を日本の会社で採用したい場合、以下の流れで手続きを行います。

日本国内にいる外国人を採用するステップ
  1. 在留資格の確認 
  2. 労働契約の締結、労働条件の相互確認
  3. 入国管理局への就労ビザ申請
  4. 各種届出の手続き 
  1. 在留資格の確認
    雇用したい外国人がすでに日本に在留している場合、在留資格でその外国人が日本で合法的に就労が許可されているか確認します。外国人が在留カードを所持している場合もあります。

    在留カードとは
    在留カードとは、企業などへの就職や日本人との婚姻などで、出入国管理及び難民認定法(入管法)上の在留資格をもって日本に中長期滞在する外国人が持っているカードです。特別永住者の方を除いて、在留カードを持っていない外国人を就労させることは原則としてできません。

    「在留カード」を所持していた場合、就労予定の仕事の内容がその在留資格の範囲内の活動か、在留期間を過ぎていないかを確認することが必要です。在留資格が異なる場合は、採用までに在留資格の変更が許可される基準(学歴・職歴・実務経験など)を満たしているのか確認したうえでの採用を行います。

  2. 労働契約の締結、労働条件の相互確認
    外国人が日本で就労する場合、日本人と同様の労働基準や労働関係法規が適用されます。外国人を雇用する際、労働基準法に基づいて労働契約を締結します。外国人本人が十分理解できる言語で作成した雇用契約書を作成し、労働者本人に雇用条件などを詳しく説明して納得の上で本人・会社の署名がされたものを双方で保管します。
  3. 入国管理局への就労ビザの申請
    雇用する外国人が、日本の大学留学を卒業して就職するのか、あるいは転職するのかによって在留資格の申請が異なります。3通りに分けてご紹介します。①転職前の在留資格の業務内容と異なる場合
    転職先の企業で現有在留資格の範囲外の仕事をする場合、入国管理局へ在留資格変更許可申請を行う必要があります。「在留資格変更許可申請」の申請に必要となる書類は以下の通りです。
    (参考:法務省「在留資格変更許可申請」http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html
    (※最新情報と申請必要書類は、適宜公式ホームページで新様式を用いて提出してください)

    • 申請書
    • 写真(縦40mm×横30mm、1枚、写真の裏面に氏名を記入し,申請書に添付して提出)
    • 日本での活動内容に応じた資料
    • 在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含みます)
    • 資格外活動許可書
    • 旅券又は在留資格証明書
    • 身分を証する文書
    • 収入印紙

    ②転職前の在留資格に業務内容が含まれている場合
    前職と在留資格に転職先の業務内容が含まれている場合、新たに申請する必要がありません。しかし、転職する外国人の採用が決まった場合入国管理局やハローワークなどに届け出を提出する義務があります。詳しくは次の項目でご紹介します。

    ③ 日本の専門学校・大学・大学院で卒業した外国人を新卒として採用した場合
    新卒の外国人を正社員で採用する場合、「留学ビザ」から「就労ビザ」に切り替える必要があります。そのため、留学生本人の住所地を管轄する最寄りの地方入国管理局にて在留資格変更許可申請をおこないます。変更の申請手続きは、①とほぼ変わりませんが一部資料が異なる場合があるので最新情報は法務省のページを参照してください。

    (法務省:在留資格変更許可申請 http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html

  4. 各種届出の手続き
    転職する外国人の採用がきまったら、入国管理局やハローワークに各種届出を提出します。①「契約期間に関する届出
    外国人が転職をして元の契約が終了・新たな契約の締結があった場合、終了・新規両方の契約について入国管理局に「契約機関に関する届出」を提出する必要があります。②「外国人雇用状況の届出
    雇入れた企業には、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」の提出が義務付けられています。届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されますので、遅れないように注意しましょう。

海外にいる外国人を採用する場合

海外にいる外国人を日本に呼び寄せて採用する場合、以下の流れで進めます。

海外にいる外国人を採用するステップ
  1. 就労ビザ取得が可能か事前確認する
  2. 「在留資格認定証明書」の交付を申請
  3. 「在留資格証明書」を本人に送付、本人がビザの申請
  4. ビザが発行され来日
  1. 就労ビザ取得が可能か事前確認する
    海外から外国人を呼び寄せる場合、まず以下の確認をします

    ①入社後の職務内容が、就労ビザ(在留資格)の職務範囲内であること
    ②外国人本人の学歴や職歴が申請条件に満たしていること

    例えば、海外から特定の外国人を呼び寄せてマーケターを採用する場合、マーケティング業務従事者は在留資格「技術・人文知識・国際業務」で就くことができる職種です。

    そのため、呼び寄せる
    雇用主が申請代理人となり、「技術・人文知識・国際業務」で就労ビザ申請を行う必要があります。

    そして、マーケティングの専門業務に関連する選考を必要年数で学問を収めているか確認します。学歴で要件を確認する場合、卒業証明書などで事前確認をします。職歴で要件を満たす場合、在職証明書を確認をします。

  2. 「在留資格認定証明書」の交付を申請
    受入企業の担当者、入国管理局に届出済みの行政書士など(申請取次者)が、勤務予定地を管轄する入国管理局で、「在留資格認定証明書」の交付を申請し、交付を受けます。

    「在留資格認定証明書」とは
    海外に在住する外国人を招へいするために必要な証明書で、入国管理局により上陸許可が審査済であることを事前に証明するものです。
    この証明書の交付を受けることで企業が雇用する外国人の就労ビザを取得しています。

    「技術・人文知識・国際業務」の区分で「在留資格認定証明書」申請に必要な共通の書類は以下の通りです。
    (参考:法務省「在留資格認定証明書交付申請」http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-1.html
    (※最新情報と申請必要書類は、適宜公式ホームページで新様式を用いて提出してください)

    ※申請手続き開始から入手までは、受け入れ企業の規模にもよりますが約2週間~3カ月かかります。

  3. 「在留資格証明書」を本人に送付、本人がビザの申請
    「在留資格認定証明書」取得後、この書類を海外の外国人に送付し、本人が「在留資格認定証明書」と他必要書類を揃えて自国の日本大使館や総領事館へ持参し、査証申請をします。日本大使館や総領事館の審査が行われ、無事審査が通り査証が発給されたら来日可能です。
  4. ビザが発行され来日
    ビザが発給されたら、来日して企業で就労を開始可能になります。

    注意

    ※在留資格認定証明書の有効期限は発行日の日付から3ヶ月以内となります。

    期限内に来日しない場合、在留資格認定証明書は失われ、その場合新たに在留資格認定証明書申請を始めから申請しなければいけません。ご注意ください。

    就労ビザ申請の全体のフローチャートは、外務省が紹介しているこちらを参考にしてください。

    フローチャート
    (参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/nagare/chouki.html


日本で外国人を雇う際、申請手続きや書類が様々あり多くの時間と労力が必要になります。EPSでは、外国人人材の採用、またビザ申請のサポートを行っています。「日本で外国人を呼び寄せて採用したい」、「日本にいる外国人を採用したい」というときはお気軽にお問い合わせください。