シンガポール雇用形態一覧

近年、シンガポールの労働市場は更に複雑になっています。企業は適切な人員配置と生産性を重視するために、組織に最適なさまざまな雇用形態を導入しています。シンガポールの一般的な中小企業は、約4〜5種類の雇用形態をもって従業員を雇っています。

シンガポールで雇用主として従業員を雇ったりまたは従業員として働きたい場合、様々な雇用の種類を理解することは必要不可欠です。適切な雇用形態を学ぶことで、自身の会社を労働基準にのっとるだけでなく、従業員の労働環境や仕事満足度、そして定着率にも影響してきます。

またシンガポールの雇用形態を学び、日本との違いのギャップをきちんと理解することが大切です。チームにふさわしい候補者を見つけたら、フルタイムの場合は正社員の安定性、フリーランサーや契約社員の場合は柔軟性など候補者にとって最も適切な雇用形態を提供していきましょう。

 

シンガポールの雇用法

シンガポールでは、雇用主と従業員の関係は雇用契約で締結され、シンガポール雇用法によって規制されています。

この雇用法とは労働と雇用の問題に関するシンガポールの法律であり、基本的な雇用条件と雇用者と従業員の権利、義務と責任を定めます。

シンガポールの雇用形態

近年の求職者を中心に回っている求人市場では、有能な人材はが市場に長く残っていません。 理想的な候補者を見逃さないために、シンガポールのさまざまな採用オプションの主な違いを理解しましょう。
シンガポールの5つの主な雇用形態は次のとおりです。

正社員

正社員(Permanent Employees)とは、契約終了日をもたず雇用契約に基づいて雇用され就業規則で定められた所定労働時間の上限(フルタイム)まで労働することができる者を指します。 正社員は給与を月給で支給され、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時などの規定された労働時間で働きます。

週に35時間以上勤務する従業員は「フルタイマー」といわれます。そのため正社員以外の契約社員でもフルタイムで働いていた場合、フルタイマーと呼ばれます。 一方で正社員の中でも、所定労働時間のフルタイムより少ない時間で働く「勤務時間限定正社員」という形態もあります。

正社員は会社の中核業務を担うため、企業にとって非常に重要なポジションです。一般的な組織の多くは、主に正社員の従業員で構成されます。

有期契約社員

有期契約(Fixed-Term Contract Employees)で雇用された従業員は、事前に合意された特定の期間でのみ勤務します。 一般的にプロジェクトが完了したときに契約期間が終了します。 有期労働者は雇用契約で記載が無い限り、正社員と同じ権利を持ちます。有期契約社員に与えられる待遇は、正社員と同等です。(雇用契約書内で特別な記載事項がある場合は、契約書にしたがいます。)

同様に、週に35時間以上勤務する有期契約社員は、フルタイマーと呼ばれることもあります。

有期契約社員は、産休などで減った人員カバーするときに臨時雇用として採用されます。

派遣契約、代理雇用契約

派遣契約と代理雇用契約(Leased Employees or Agency Contracts)は人材派遣会社と契約している従業員です。どちらも人材派遣会社などに雇用されている従業員が企業に派遣され、期間が定められた特定の仕事を完了次第、企業での契約が終了します。給与は人材派遣会社から支払われます。

派遣契約は、企業が人材派遣会社に必要なスキルをもつ従業員を依頼し、人材派遣会社は雇用している適切な人員を依頼主の企業に派遣します。

代理店契約は、企業が特定の人材を雇用したいが雇用管理や給与支払いができる企業が組織の中になく、人材派遣会社などの外部に雇用や管理をアウトソースをすることです。契約内容は有期契約社員とほぼ同じで、雇用主のみが異なります。

派遣契約、代理雇用契約を利用する例です

1. 企業内で雇用管理、給与支払い、有給管理、税金、雇用契約書の更新など雇用にかんする知識をもつ社員が在籍せず、外部に委託する必要がある場合
2. 外国人を採用する際、企業がビザの申請をする枠がなく第3企業の外部に雇用代理を依頼する場合

パート従業員

シンガポールのパート従業員(Part-time Employees)は平均週35時間未満で働いており、年棒や月給ではなく時間単位で給与が支払われます。 パート従業員も、病気休暇や年次休暇などの基本的な待遇を受給できます(契約条件により異なります)。 一方で、契約書に特別な記載がない場合、予告なく解雇される場合もあります。

シンガポールでは、パートと短期雇用の境界線が曖昧になっています。 一部のシンガポール人の雇用者も両社を誤って使ってる場合が多いです。

パートと短期雇用の違い

パートと短期雇用は同様の契約条件をもっています。 唯一の違いは、パートは週の前に勤務スケジュールを受け取りますが、短期雇用の従業員はスケジュールが固定されておらず、勤務時間は変動する可能性があることです。短期雇用は有期雇用の一部であり、雇用期間が一年未満の契約を指します。

これらの採用オプションは通常、季節的および変動する需要を軽減するために使用されます。

インターン、実習生、研修生

インターンシップ、実習生、研修生(Interns, Apprentices, Trainees)の雇用はシンガポールの教育機関や企業が利用するひとつの雇用オプションとして使われています。 学位認定資格を取得中の在学生は、企業に3か月から1年のインターンシップまたは実習などのプログラムを申請できます。

また、SGunited Traineeship Programというプログラムが近年導入され、2019年と2020年に技術教育研究所(ITE)、工科大学、大学、およびその他の私立教育機関の卒業生はシンガポール企業との研修生としてプログラムを利用することができます。

このような雇用契約では、雇用主はインターンと研修生に適切なトレーニングを提供する必要があります。 賃金は、資格、会社、役職、業界などのさまざまな要因によって異なります。通常退職年金、労働者の補償、などの待遇は他の従業員と同じことが多いですが、企業によって異なる場合があります。

企業はこのようなインターンシップや研修を通じて若い世代を育成し、新鮮な新しいアイデアを活用して、革新的な事業に活かしていきます。

業務委託

業務委託(Contingent Workers)は企業に雇用されるのではなく、企業と対等の立場で業務の依頼を受ける働き方です。仕事を任せる依頼者と引き受ける個人との間には雇用関係はないため雇用契約は結びません。 業務委託者は企業と仕事内容や稼働時間、報酬、などの契約を結んで働きます。業務委託の一例として、フリーランサーや個人事業主などがあります、

業務委託は企業と雇用契約を結んでいないため、提携企業からの福利厚生や社員と同じような待遇は受けられません。

企業は自社で対応できない業務を、他の企業や個人といった外部に委託する際に業務委託を利用する場合が多いです。

会社にとってより最良のビジネスを達成するためにも、さまざまな雇用形態の組み合わせをは必要不可欠になるでしょう。組織体系採用決定を行うために、シンガポールでの雇用の種類についてきちんと学ぶことが大切です。

どの雇用モデルが、採用要件に最も適しているかまだ不明な場合、EPS Consultantsへお気軽にお問い合わせください。

*この記事は法的助言を構成するものではありません。 情報提供のみを目的として書かれています。