【2020年版】シンガポールのエンプロイメントパスの承認基準について

2020年9月シンガポール政府は外国人の雇用に関する政策を更に縮小し、就労ビザの発行と更新の件数が減っています。そのため企業は外国人人材を採用できず、組織形態が不安定になっているところも少なくありません。シンガポールの就労ビザを管轄しているシンガポール政府の人材開発省(MOM:Ministry of Manpower)は近年様々な変更を導入していますが、企業が変更に対して体制を随時適応していくのは困難です。

今回はシンガポールで就労ビザの一つであるエンプロイメントパスを申請する際の詳細や、承認率を上げるために企業が押さえておきたいポイントについてご紹介します。

※本記事は2020年9月24日に掲載されました。

シンガポールの就労ビザのおさらい

国際連合の専門機関である世界銀行の調査によると、世界でもっともビジネスがしやすい国のランキング1位でシンガポールが選ばれています。 シンガポールが「東南アジア事業のハブ」として発展し経済が成長したことにより、シンガポールで働きたいと思う一流の専門職や中途、新卒などの外国人労働者の数が急増しました。 そのためシンガポール政府はさまざまな種類の就労ビザを設置し、それぞれの職務に応じて権利と制限を導入しました。

シンガポールの就労ビザは、いくつかの種類がありますが、エンプロイメントパス(Employment Pass)とSパスの二つがよく申請されています。

エンプロイメントパスついて

エンプロイメントパスは、専門職、マネージャー、役員などの管理職に向けられたビザです。エンプロイメントパスの有効期間は申請ごとに1年または2年です。その後更新の際3年まで延長できます

シンガポールでは、外国人を雇用する際に雇用主が支払う税金「外国人雇用税」というものがあります。エンプロイメントパスには外国人雇用税はありませんが、Sパスなどほかのビザには外国人雇用税が課されています。

エンプロイメントパスは申請から受け取るまで提出後約3〜8週間かかります。

エンプロイメントパス申請について

エンプロイメントパスは申請すれば誰でも承認が降りるわけではありませんが、法律上では人数制限の枠はありません。シンガポール政府は、外国人人材が地元民と雇用をめぐって競争するのではなく、労働力を補うように活用されるために制限とビザ通過基準を課しました。 申請されたエンプロイメントパスはすべてMOMの審査を受けます。

本記事ではエンプロイメントパス申請の通過率を上げる要素を従業員側と企業側に分けてご紹介します。エンプロイメントパス申請の承認率を上げるために、必ずMOMが提示しているEPの概要(https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/employment-pass/eligibility)についても一読してください。

従業員の基準

給料

2020年9月から、MOMはエンプロイメントパスの給与の下限を3900ドルから4500ドルに引き上げました。 また2020年12月以降から、金融業界(financial service sector)のエンプロイメントパス保有者は下限が5000ドルになります。変更が適応されるのは新規の場合は2020年9月1日、更新の場合は2021年5月1日からになります。

最低月額給与額
(変更前)
最低月額給与額
(変更後)
変更の適用
EP(General) S$3,900 S$4,500 新規申請:2020年9月1日
更新:2021年5月1日
EP(Financial Service) S$3,900 S$5,000 新規申請:2020年12月1日
更新:2021年5月1日

学歴

エンプロイメントパスは、マネージャー、役員など専門性が高いポジションの就労ビザのため、MOMが認定した大学の学位か専門的な資格が必要とされています。一般的に政府が認めているEP取得可能な教育機関は4年生大学以上です。

職歴

優れた専門知識と技能をもち、実績のある従業員はエンプロイメントパス申請の承認率があがります。職歴や実績は、政府が認定した学歴を所持していない外国人にとって重要な基準です。専門性の高い職歴や経験があれば、政府が定める教育機関卒業生でなくても申請できます。また、職歴に関しては長期的な雇用職務歴が求められているのではなく、申請する職務に関係する実務経験が必要になります。

雇用主の基準

Fair Consideration Framework

シンガポール人の雇用促進政策として、FCF(Fair Consideration Framework)が政府により導入されています。FCFとは、シンガポール人へ公平な雇用の機会を与えるために、導入された施策です。企業はエンプロイメントパスの申請が必要となる外国人を受け入れる前に、政府が運営する求人広告「MyCareersFuture」に少なくとも28日間の求人掲載の義務が必要とされています。また、求人広告に変更が加えられた場合も更に変更後最低14日間求人を掲載しなければなりません。

求人広告媒体「MyCareersFuture」とは、シンガポール人の求職者と雇用者の求人マッチングプラットフォームです。この求人広告媒体の目的は、政府がシンガポール人の雇用、育成を推進するものです。シンガポール人が求人に応募しない場合か、求人の職種に適してていない場合にのみ外国人人材の採用を開始できます。エンプロイメントパスの「人数枠」には制限が決められていませんが、あまりにも外国人人材採用にのみ偏りすぎた場合、MOMの監視リストに入れられます。

以下に当てはまる場合、企業は求人を掲載しません。

  • 従業員数が10人以下
  • 月給が$ 20,000以上
  • ポジションが企業内転勤者(ICT)など(企業の役員職など上級ポジションに就く経験豊富な応募者)
  • 雇用期間が1ヶ月以下

企業資本

エンプロイメントパス申請の承認率を高めるには企業の事業活動の他に、資本構成も重要になります。 資本は事業で収益を生み出す元手や従業員の給与支払いなどに必要不可欠です。 したがって、MOMが企業を審査する際、売上請求書、所得税計算書、銀行取引明細書などの書類が必要になります。

エンプロイメントパスを申請したい企業の売り上げがまだ低い場合、別の国の支社などの資本資料を併せて提出すると承認率が上がる可能性もあります。

EPSのエンプロイメントパス取得サポート

エンプロイメントパスでご質問や相談などあれば、お気軽にEPSにお問い合わせください。企業が根幹となるビジネスに集中できるよう、EPSではエンプロイメントパスの申請から、採用のお手伝いをしております。

参考:Ministry of Manpower

EPSがシンガポールで提供する人材紹介サービス

EPSがシンガポールで提供するサービスの詳細は「シンガポールの人材紹介 / 人材派遣サービス」をご覧ください。