日本における外国人人材市場について

現在、日本は少子高齢化の影響による人口減少に直面しています。国内の人口減少に伴い日本人労働者数の減少も続いていて、2020年の新型コロナウィルスの発生以前からの問題となっています。人口の縮小は今後も続くと予想されていて、日本政府の試算では2040年までに1,200万人の労働人口が減少するとされています。そこで、日本人労働者のみでは補いきれない不足分の労働力を外国人労働者で補完することが解決策の一つとして挙げられています。

また、訪日外国人の数が年々増加しており、今や年間3,000万人の観光客が日本に訪れていて、このインバウンド需要獲得のためにも外国人労働者へのニーズは高まっています。

日本で働く外国人労働者の現状

日本で就労している外国人労働者数

厚生労働省によると2020年10月時点での日本で働く外国人労働者は約172万人で前年同期よりも約7万人増加となりコロナウイルスの影響を受けながらも過去最高を更新しました。国籍別ではベトナムが最多で約44万人。次いで中国、フィリピンと並び、この3か国で外国人労働者全体の6割以上を占めています。

産業別に見ると、外国人労働者が従事する業界の割合は「製造業」が44.5%で最多、次いで「卸売業・小売業」が10.6%、「宿泊業・飲食サービス業」が8.9%となっています。

日本における外国人労働者数は増加傾向にあり、中でもアジア出身の人材が多く目立ちます。ベトナム、インドネシア、ネパールをはじめとする発展途上国の伸び率は特に突出しています。また、その背景には「ベトナムの第一言語に日本語が指定されたこと」等が考えられています。

日本で就労している外国人労働者の賃金

2019年の賃金構造基本統計調査によると、外国人労働者の平均賃金は月額22万3100円で同年の日本人の平均月額賃金36万6700円の約6割程の水準でした。この背景には多くの外国人労働者の就労先がそもそもの賃金水準が低い職であるためです。一般的なオフィスワークのポジションでは日本人と外国人の賃金は同水準にあります。

日本で働く外国人労働者にとっての課題

言語と文化背景の違い

外国人労働者へのニーズは高まる一方で、課題となっているのが言語と文化背景の違いです。日本語を第一言語とする日本では、外国人労働者を活用する際に言語の壁が発生し易い傾向にあります。また、外国人労働者を採用する際に企業と労働者が持つ労働観の間に差が生じてしまう事もあります。

このような理由が原因となり相互理解が不足した結果、外国人労働者が定着しないといった問題も多く発生しています。

外国人労働者への待遇

外国人労働者と日本人労働者の間には賃金面での隔たりがあります。「発展途上国からの労働者が多い傾向」や「言語の問題で就業できる職に限りがあること」等の理由で外国人労働者は依然として安い労働力という認識する企業も多く存在します。

現状はそれでも労働者が集まっています。しかし、外国人労働者の割合は発展途上国からの人材が半分以上を占めています。それらの国は日本よりも格段に経済成長率が高く、年々所得水準も上昇しています。このままでは日本で働くことのメリットが目減りしていくことが予想できます。

また、日本以外の先進国で少子高齢化に伴う労働人口減少が進めば発展途上国から労働力を確保する動きは加速することが予想できます。他の先進国と比べ言語の壁が高い日本にとって外国人人材の獲得はさらに困難になる可能性があります。

長期雇用が難しい

外国人雇用に関する手続きは複雑なうえに現在の制度では5年以上の長期在留は厳しい審査を通過する必要があります。そのため、重要なポジション、教育を必要とするポジションでの採用ではコストに対するリターンが小さいという問題が発生しています。結果として、替えのききやすい単純作業の職に人材が流れていく傾向があります。

まとめ

年々、日本において外国人労働者数は増加傾向ですが、未だその内実は「安い労働力」という側面があるといえます。しかし、高まるインバウンド需要や海外展開に対応するためには外国人人材へのニーズは更に加速するでしょう。「安い労働力」ではなく「重要な戦力」として外国人雇用を進める必要があります。

課題としては「言語・文化の違い」により外国人人材の獲得・定着が困難となっていること、現行制度の中では外国人の長期雇用が厳しいことが挙げられます。

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