ICT技術の進歩と労働力不足により、リモートワークを導入している企業が増加しています。特定の機能を果たす部門を海外に作り、現地人を採用することでコストの削減を図る企業も少なくありません。日系企業でも日本の人材市場での競争を回避して、適切な人材を獲得できるとして海外にリモートオペレーション導入が進んでいます。採用先としては、フィリピンが人気国の1つとして挙げられます。本記事ではフィリピンでのリモートオペレーションの事例をご紹介します。
フィリピンが選ばれる理由
1億人を超える人口のうち約7000万人が労働人口(15歳~65歳)に当たり、日本の労働人口を上回っています。フィリピンの平均年齢は23歳で若い労働力が大量に存在します。国全体として英語力が高く、フレンドリーな国民性でコミュニケーションが取りやすい点が人気の理由として挙げられます。
また、フィリピン政府が外国資本導入策として、BPO産業を積極的に奨励しており、進出企業に免税などの優遇措置を提供していることも大きな要因となっています。
リモートオペレーション事例
カスタマーサービス
日系大手ICT企業は同社が提供するクラウドサービスのグローバルサービスデスクをフィリピンに開設。フィリピン人の高い英語力を活かして、世界共通の窓口となり、24時間365日体制で世界中の顧客のサポートを行っています。
インフラ・セキュリティ管理
モバイルゲームを提供する企業は、フィリピンに英語、中国語、韓国語による企業のソーシャルメディアページの管理や監視、24時間体制でデータベースへの不正アクセス等の防止体制を構築しています。
同様にSI系企業は世界中の顧客のネットワーク運用センター管理、サーバー管理、ストレージ管理、 セキュリティ・アクセス管理をフィリピンから行っています。24時間の継続した監視を通じて早急な問題察知、対応を可能としています。
オフショア開発
世界的コンサル企業はフィリピンにIT分野の拠点を持ち、AI、クラウドやセキュリティなどモダンなIT開発の領域にも関わっています。フィリピン支社では、マニラ、セブの拠点を合計して5万人以上の社員を抱えています。英語を駆使して開発から顧客のサポートまで一元管理できるという利点があります。結果として、世界52か国、200都市以上にITサービスを提供しています。
その他BPO
日系大手海運会社はフィリピンに約400名の体制をもっており、世界20カ国以上の拠点のB/L (船荷証券)処理、輸出入関連文書処理、ヘルプデスク、テクニカルサポートを行っています。同質的な業務をフィリピンに集約することで処理スピードの向上を図り、時間等のコスト削減を実現しています。
まとめ
人口1億人を超え、平均年齢23歳と若い労働力が大量に存在するフィリピンは世界的なBPOの拠点となっています。英語力が高く、陽気な国民性でコミュニケーションに困らずにコスト削減が図れるという点が大きな要因となっています。しかし、単にコストが低いということだけでなく欧米企業にとっては近年の発展が目覚ましいアジア市場への進出の足がかかりという意味合いも持ち合わせているようです。日系企業でもフィリピンを海外進出の重要拠点として捉える企業が出てきており、フィリピンの重要度は今後益々高まるでしょう。既に英語とIT分野のバックグラウンドを持つ若い人材を囲い込む動きもあります。いかにフィリピンで素早く優秀な人材を獲得できるかが企業にとって大きな課題となります。
EPSはフィリピンにも拠点を持っており、多くの企業様へ人材をご紹介してきた実績がございます。フィリピンでの採用をお考えでしたら、お気軽にご相談ください。